【沖縄県知事選の結果が政権に与える影響】
沖縄県知事選から1週間が過ぎようとしています。
玉城、佐喜真の一騎打ちでしたが結果は玉城氏の圧勝でした。
しかも過去最高得票のおまけ付き。
▼当選の玉城氏、過去最多の39万票 得票数確定(’18/10/1)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35942560R01C18A0000000/
この結果が今後、どのように影響してくるのか。
特に政権にとっての影響を考えてみようと思います。
沖縄県知事選総括
「現職二期目の選挙のようだ」(JX通信米重氏)
との論評がありましたが、まさにそのとおりになりました。
翁長県政は沖縄県でかなり支持されていたようで(知らなかった)、
有権者のほとんどは翁長氏の態度(翁長氏の光景とされた玉城氏支持)を事前に決定しておりこの傾向をひっくり返すのはかなり難しかっただろうと色んなとこが書いてます。
選挙の流れ含めて一番詳しくかつ興味深かったのは以下の記事。
▼玉城デニーはこうして勝った(’18/10/3)
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/9357.html
興味深かったのは政権与党&与党側政党(日本維新、希望の党)が文字通り総力を上げて佐喜真氏を支援したのに、
投票者のうち自民党支持層の2割強、公明党支持層の3割弱が玉城氏に投票していたこと。
▼玉城デニー氏、無党派層の7割が支持。沖縄県知事選の出口調査(’18/10/1)
https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/30/okinawa-governer-election_a_23546674/
今回めちゃくちゃ締め付け厳しかったことが分かっているので、
その中で”わざわざ”造反したことの意味というのはかなり大きなものがあると思います。
端的に言えば《東京》への不信感。
しかも投票者のうちの2~3割なので潜在的にはまだいるはず。
それが顕になった瞬間でした。
あとですね、選挙期間中、玉城氏を個人攻撃するようなデマや中傷、そして『玉城氏が当選したら沖縄が大変なことになる』といったような不安を煽る言説が飛び交いました。
すごく不実だし、候補者だけでなく有権者も馬鹿にする行為です。本当にやめてほしい。
政権への影響
めちゃめちゃ大きいと思います。
3.11並の災害が起きるとか近場で国家間の大きな衝突があるとか、
そういう天変地異が起きない限りほんとにジリ貧なんじゃないかな。
ってくらいダメージだったんじゃないでしょうか。いやほんとに。
あそこで思いの外石破氏が善戦しました。
結果を受けて安倍陣営は「圧勝だった」と胸を張りましたが肝を冷やしたと思います。
安倍氏がこれまで通り党内影響力を保てるかどうかは沖縄県知事選にかかってました。
沖縄県知事選以降は与野党対決型の選挙は統一地方選や参院選までありません。
「選挙に強い安倍さん」
のまま求心力を失わずに今後3年間の政権運営を行うためには
沖縄県知事選での勝利、少なくとも”善戦”が必要でした。
だからあれだけ力を入れて佐喜真氏を支援したわけです。
その結果が8万票差の大敗。
ここまでの負け方は想像してなかったと思います。
なので、組閣も総裁選で支持してくれた派閥に配慮した布陣になる。
恩義がありますからね。
けどそうすると国民には支持されない。
▼「派閥の意向」が影 改造後の支持率下落は安倍政権初(’18/10/3)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36097290T01C18A0EA1000/
普通、組閣後って支持率上がるんですけどまさかの下落、良くて横ばい。
この結果に地方議員や参議院議員はあたふたしてると思います。
10月下旬から始まる臨時国会で念願の憲法改正発議をしようと思っていたけれどそれもできそうにない。
▼改憲、自民4項目を説明へ=臨時国会提出から後退―安倍首相(’18/10/3)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00000125-jij-pol
だけでなく、閣僚の失言や、過去の問題は追求されそうですし、オリンピックの経費が膨れ上がっていることについても突っ込まれるでしょう。
▼第4次安倍改造内閣 新入閣組、不安の船出 不用意発言、守り、力みも(’18/10/4)
https://mainichi.jp/articles/20181004/ddm/005/010/035000c
▼東京五輪・パラ 国の支出8000億円超(’18/10/5)
http://www.news24.jp/articles/2018/10/05/07405938.html
このまま安倍政権のレームダック化が一気に進むかもしれません。
(沖縄県知事選がかなり大きな分水嶺になるって言い続けてたのはそういうこと)
国会対応だけでなくアメリカとの通商交渉も悩みの種でしょう。
めちゃくちゃ頭痛いと思います。
色んなことがうっかりすれば、衆参同時選挙までありえる。
と見ています。
そんな情勢です。