【新潟県知事選の振り返り】
数日あいたら今更感出てきたのですが
今後のことも考えて振り返っておきます。
結果
大接戦だと言われ、深夜までかかると思われていた新潟県知事選は、
22時頃にNHKがあっさりと当確を打ち、
与党系候補の勝利となりました。
▼新潟知事選 自公支持の花角英世氏が初当選(’18/6/10)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20180611/k00/00m/010/058000c
投票率:58.25%
得票率
花角氏(与党系):49.6%
池田氏(野党系):46.2%
安中氏(無所属):4.1%
で、下馬評通りの接戦でした。
最終的な票差は37,102票。
各候補者の選挙戦
花角氏(与党系)
自民・公明から支持されていた花角氏は、
財務省の公文書改竄等で印象が悪くなっていたこれらの党の色を徹底的に消しました。
中央との繋がりを全面に出して主に経済について訴え、企業や団体の組織票を徹底して固める選挙戦略を取りました。
新潟県民にとってものすごくセンシティブな『原発』については、再稼働するともしないとも明言せず、再稼働するのであれば信を問うための選挙を行う。としました。
▼原発再稼働は再出馬「信問う」 当選の花角氏(18/6/11)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20180612/k00/00m/040/117000c
池田氏(野党系)
『野党統一候補』という顔を全面に押し出し、徹底した空中戦。
SNSや街頭演説、集会、電話がけを駆使して野党系支持者の8~9割を固めました。
原発の再稼働には明確に反対し、福祉や教育面の充実を訴えました。
有権者の投票行動
以下の記事に詳しいのですが、
投票の際最も重視した政策は
1.原発への対応(28%)
2.景気・雇用(25%)
3.地域の活性化(18%)
4.医療・福祉(14%)
5.子育て支援(11%)
の順でした。
しかしながら原発問題に関して『再稼働反対』であると答えていた人うちの37%が花角氏に投票していたのです。
この投票行動が雌雄を決したと思います。
▼花角氏、再稼働反対票も取り込む 新潟知事選、出口分析(’18/6/10)
https://www.asahi.com/articles/ASL6B55CRL6BUZPS001.html
新潟の有権者は何を考えたのか
今回、池田氏は明確に『再稼働反対』としましたが、花角氏も『賛成する』とは明言しておらず、原発が争点とはなりませんでした。
それは花角氏が「再稼働する際は再度選挙を行う」としたことで「再選挙の時に判断すればいい」と多くの人が考えたからだろうと思います。
原発は後から対処できるとなれば次点の景気・雇用で政策を見比べるのは当然で、新潟の有権者は、
『(与党系の)花角氏の方が様々な予算を中央から持ってこれるのではないか』
と考え、花角氏の勝利につながったのではないかと個人的には分析しています。
さらにもう一歩踏み込んで私の妄想を開陳しておきます。
テレビや新聞では”株高”だったり”過去最高益”だったりの言葉が乱れ飛んでいますが、
▼上場企業、2年連続最高益 18年3月純利益27%増(’18/2/10)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2679148010022018EA5000/
「景気が良い」という実感を持っている人は少ないと思います。
昨年11月の調査ですが、景気の回復を実感していない人がかなり割合でいます。
▼景気回復「実感していない」82% 朝日新聞世論調査(’17/11/14)
https://www.asahi.com/articles/ASKCF5Q76KCFUZPS008.html
「景気が良いという情報があるのに、自分たちは景気の良さを実感していない。ということはここじゃないどこか(きっと東京!)に好景気があるのではないか」
と考えてるんじゃないのかなーと思うんですよね。
完全に妄想なのでエビデンスはないんですが。
「東京から好景気を持ってこれそうな人」ということで花角氏が選ばれたのではないかというのが私の見立てなんですがいかがでしょうか?
震災から丸7年が経ち、原発が”喫緊”の課題ではなくなってきたということも理由として上げられるかも知れません。
花角氏の選対はすごく上手く立ち回ったなという印象です。
いずれにせよ、新潟県知事選の結果が官邸の追い風となることは間違いなさそうです。