ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【総裁選総括】

結果は(わかってましたが)安倍氏の三選でした。

さて内容等々を含めて総括してみようと思います。

 

結果

安倍:553

地方票:224

国会議員票:329

 

石破:254

地方票:181

国会議員票:73

 

無効票:3(すべて白票)

 

地方票得票率

安倍 55%:45% 石破

 

国会議員票得票率

安倍 82%:18% 石破

 

総括

自民党”としては、かなり良い選挙だったんじゃないかと思います。

党の支持率あがるんじゃないかな?

色んな人がひどい発言してましたけど(今日もしてますけど)、

「多様性を包含する政党」

みたいなイメージは作れたんじゃないかと思います。

 

ただ安倍氏にとっては厳しい選挙だったんじゃないかと。

そもそも現職は選挙強いんです。これまでの成果を存分に語れますからね。

しかも、『安倍一強』と言われる中での選挙は、本来なら横綱相撲だったはずです。

安倍陣営も最初はトリプルスコアで勝つなんて言ってました。

これ二日前の記事ですけど、200票ラインが焦点だって言ってんです。

 

▼石破氏200票ラインが焦点=「勝ちぶり」政権運営に影響-自民総裁選20日投開票(’18/9/18)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091801187&g=pol

 

石破氏の50票以上の積み増しは、安倍氏にとっては気持ちのいいものじゃないと思います。

以下、もう少し細かいところを見ていきます。

 

国会議員票の結果

国会議員票は安倍氏の圧勝でした。

これは事前から言われてたことで驚きはないのですが、興味深いのはその内訳。

安倍氏が得た国会議員票は329票。

実は、投開票の直前に安倍陣営が決起集会を開いていました。

そこに集まったのが333人。

つまり直前に「安倍さんがんばりましょう!」って集まったうちから

4人が裏切ったわけです。

 

▼投票前のカツカレー「4人が食い逃げ」 安倍陣営嘆く(’18/9/21)

https://www.asahi.com/articles/ASL9N7WH2L9NUTFK03Q.html

 

あと気になるのは白票。

3票白票がありますがこれ誰だったんでしょうね。

誰が投票したかで意味合いが変わってきます。

たぶんわからないでしょうけどすごく気になる。

知ることができたらそれで一晩飲み明かせそうです。

 

さておき。

付き合いで顔は出したけど結局石破氏に入れたって人が4人いたというのは、統率取れてそうで実は取れていない人が数人いるということ。

安倍陣営としてはかなりやきもきするでしょうね。

「いつ後ろから撃たれるかわからない」

くらいの気持ちなんじゃないでしょうか。

 

地方票(党員票)の結果

問題はこっちです。

統一地方選を来年に控えた今、地方は安倍総裁で戦いたいのか石破総裁で戦いたいのかという選択です。

もちろんどっちもイヤだって人はいると思いますしそういう人たちは投票しなかったでしょう。

石破氏は昨年から総裁選を睨んで地方行脚をしていました。

対して安倍氏は今年に入り続々と地方議会の自民党議員と面談を重ねていました。

何回も言いますがこういう時強いのは現職です。

しかも総理大臣ですからね。ネームバリューはすごくあります。普通はなびきそうなところ。

 

繰り返しになりますけど安倍陣営は圧倒したかった。

もともと2選までしかできなかった党のルールを変えてまで3選に挑むわけだから

『全員が支持してくれている』

という雰囲気を作りたかったんだと思います。

ただ、予想以上に石破氏が善戦してるんですね。

ざっくりとですがエクセルで表にしたので興味あれば見といてください。

 

石破氏がなぜ地方票で善戦できたのかがまだわからないんですよね。

地方創生に力を入れていたからという話もありますがそれは論として弱い気がします(完全に主観なんで正しくないかもしれませんが)。

 

今回、彼に入った票は、

『石破氏が人気だった』

というよりは、

安倍氏じゃない方がいい』

というニュアンスが強い票だと私は見ています。

 

安倍氏には株高や有効求人倍率などの誇示できる”成果”があるのに対し、石破氏はありません。

地方の自民党員が感じる安倍一強体制の弊害があったのか、それとも単にスキャンダルの連続に嫌気がさした人がいたのか…

そのうち誰かが書いてくれると思うのでその報を待ちたいと思います。

 

今後のポイント

いずれにしても、今回の総裁選で、ポスト安倍と目されていた『岸田』『野田』は戦線離脱することになりました。

今回戦わずして次回はありえないでしょう。

一方石破氏は党内での発言力を得ました。

党内でのパワーバランスは確実に変わるでしょう。

その中で、注目される今後のポイントは2点。

 

1つ目は安倍氏の党内求心力。

石破氏善戦となった今、地方の自民党議員が石破氏になびく可能性はあります。

そうなると、参議院選挙にも影響してきます。

国政での地方票を取りまとめているのは各党の地方議員。

統一地方選を前に地方議員が安倍氏から離れていけば、必然的に国会議員も安倍氏から離れていく流れになります。

一度離れたように見える地方議員を繋ぎ止められるのか。

それが1点。

 

もう1点は今月末に控えた沖縄県知事選。

今回の沖縄県知事選は自公と維新が全勢力を上げて与党系の候補者である佐喜真氏を応援しています。

ここで万が一でも負けるようなことがあれば責任論が出るのは必至。

安倍氏に与える影響は大きいでしょう。

 

この2点に要注目です。

ということは、これから先は沖縄県知事選の情報が多くなります。

これはかなり大きな分水嶺になるでしょう。たぶん。