ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【施政方針演説より読み解く今後の政権運営ー2019年通常国会③】

またまた期間が…

ということで書いていきます。

社会保障費のお話。

 

 

目玉政策:幼児教育の無償化

今回、社会保障関連で政府与党が最も力を入れて説明していたのが、

幼児教育無償化

の話でした(たぶん。異論は認めます)。

ようは保育料をタダにしますよ。ってことです。

 

衆議院1年半前に行われた衆議院解散総選挙で、

「この解散は『国難突破解散』だ」

 

「2020年度までに3~5歳の幼稚園・保育園費用の無償化」

 

とぶち上げていたのでいたので

その発言に沿った政策だと言えます。

▼「国難突破解散だ」 安倍首相が解散を表明。会見で何を語った?【全文】(’17/9/25)

www.huffingtonpost.jp

 

当時も

少子高齢化はずっと指摘されてきた課題だったよね」

「それは継続的に取り組んでいかないといけない課題だよね」

 

という意見の表明はあったわけですがそれはとりあえずさておきます。

 

 

ちなみになんですが、

幼児教育がここまで争点化するようになったのは

間違いなく2年前のBlogがきっかけです。

当時も言及してたので載っけておきます。

 

www.hoboyoko.xyz

 

もちろんそれまでの待機児童に対する国民的な不満があったからこそなのですが

この記事がうまく「社会課題化」させたということです。

声をあげることは無駄じゃないんだなーって思わされますよね。

民主主義感あって好きです。

 

財務省の思惑と幼児教育の無償化

このシリーズの1回目にも書きましたが、

財務省の悲願は『消費増税』と『社会保障費の抑制』による財政の健全化です。

 

「収入を増やして一番おっきい支出を減らして赤字体質を脱却しよう!」

 

ってことです。たぶん。

 

消費増税は国の収入を増やすことではあるのですが、

同時に国民の支出を増やすことにもなります。

当然ですけどそういう政策は嫌われます。

そこで登場したのが幼児教育の無償化だったわけです。

 

「幼児教育無償化するって言ったら消費増税みとめてくれるだろう!」

 と、財務省は考えたわけです。

 

 

社会保障費の抑制も進めておりまして、つい最近こんなニュースが出ました。

 

▼厚生年金加入、70歳以上も 厚労省が納付義務を検討(’19/4/15)

www.nikkei.com

 

国保の値上げも実施されますし着実に社会保障費の削減をはかってます。

ただ、国保高すぎて(文字通り)死んじゃうって人も出てきてます。

個人事業でやってらっしゃる方は実感としてあるかと。

その辺の問題は共産党がかなり重点的にやってます。

 

国保 大幅値上げ現実に(’19/4/17)

www.jcp.or.jp

 

社会保障費の削減については他も色々あるはずなんですけど

そこまで手がまわらないのでこの辺にしておきます。

ちょっと幼児教育の無償化に話を戻しますね。

 

「幼児教育無償化」のそうじゃない感

幼児教育無償化って聞いたら、

「いいやん!やろうやろう!」

ってなるんですけど、

界隈から

「いや、そうじゃない」

って声が上がってますしよこやまもそう思ってます。

 

そもそも子育て政策の最大の問題って

 

”待機児童”

 

なんですよ。

 

保育料の問題じゃない。

保育料を払うために働きたい!

働くために子どもを預けたい!

 

ってことなんです。

 

保育料に関しては既に収入によっていくつかの段階に分かれています。

そこじゃないんですよね。

 

しかも今回の保育料の無償化は認可外も含められるため

特例的に設置されてる認可外を固定化させることにはならないかという懸念もあります。

 

そして最後に最も腑に落ちないのが

無償化の財源増税分の消費税であること。

 

消費増税は延期されるんじゃないかと目されていますが

仮に延期されたとなれば当然無償化もなくなります。

少子高齢化が喫緊の課題で”国難”とまで言うのであれば、

しかもその対策として幼児教育の無償化を目指すのであれば、

政治判断に左右されない安定した財源から出しましょうよと思うわけなんですけど

何が何でも消費増税分でまかなうんだそうです。

 

少子高齢化は喫緊の課題だ!」

まではわかるんですけどその後の論理が謎すぎるんですよね。

全てにおいて”そうじゃない感”が強い今回の消費増税に絡む教育無償化の話でした。

 

財務省の、

なんとしても消費税をあげる!

という強い意気込みが見える施政方針演説とその後の国会審議でした。

とりあえず今年の施政方針演説の言及はこの辺で。

もう桜も散っちゃいました。来年は2月中に書きたいなぁ。

 

その後とよこやまの予想と

与党が絶対安定多数なので多少の波乱はありつつも予算案は成立しました。

が、足元の経済はかなりグラグラしてるので、

 

▼大企業・製造業の景況感 大幅悪化 日銀短観(’19/3/31)

www.nikkei.com

 

消費増税は再々延期されるんじゃないかなーと思ってます。

今のとこ強気の説明してますけどね。

8%に引き上げた時の影響がめちゃくちゃ大きかったのは政府も把握してるはずですし、

それが10%になった場合の試算も間違いなく行っています。

このまま「やるぞやるぞ」の姿勢を見せながら、

最終的には衆参ダブル選挙の争点にするんじゃなかろうか。

というのがよこやま的見立てなんですけどさてどうなるでしょうか。