ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【日本社会のターニングポイント:小泉構造改革③】

間で別の話を入れましたが戻して続けていきます。

小泉構造改革の結果、雇用関係・労使関係に大きな変化をもたらすこととなりました。というのが前回の話。

続いて社会保障関係から地方交付税などについて書いていきたいと思います。

 

削られた医療費

小泉改革で声高に主張されたのが増え続ける社会保障関係費の抑制でした。

2002年から毎年2200億円(初年度は3000億円)ずつ削減することを目標に掲げ

診療報酬のマイナス改訂(−2.7%)や患者の自己負担額を2割から3割に増加させるなどし増え続ける社会保障費の抑制を試みましたが医療現場は疲弊し、

2006年に日本医師会

社会保障関係費は今後5年間で、1.1兆円の削減が行われることに なっているが、これ以上、医療への締め付けが行われれば、医療の質 や安全を確保することすら、困難になる』

と、小泉構造改革による医療費削減に警鐘を鳴らしました。

また、各種保険料も軒並み引き上げられ、サラリーマンが加入する厚生年金の保険料も毎年9月に0.354%ずつ引き上げていくことが決定され、13.93%だった保険料率は今年で18.30%となります。

小泉政権時代は今年で打ち止めだという話でしたが、安倍政権がさらなる上乗せを模索しているそうです。

(確か国保もべらぼうに高くなってますよね。ほんと憤慨。)

 

厚生年金、料率上げ完了=9月から18.3%固定-「こども保険」影響も(’17/8/31)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017083100717&g=eco

 

 

三位一体改革』で減らされた地方の財源

「地方にできることは地方に」という方針の下、0406年度の3年間で、使途の決まっていた地方交付税5.1兆円、補助金4.7兆円をカットする代わりに3兆円の財源を地方に移譲しました。

「使いにくい補助金の代わりに自由に使えるお金をあげますよ。けど金額は減らしますよ。」

ということです。これが三位一体の改革でした。

当然のことながら、国からの補助が減れば各自治体の予算は人口の多寡に依存します。

平たく言えば人の少ない田舎はかなり不利です(これがふるさと納税登場の地盤となります)。

そこで地方が合併に走ったわけです。

人が増えれば税収も増えるだろう。ということで。

 

あとは合併特例債という特殊な債権があったんですけど、これ国が7割負担してくれるんです。

土建業者とつながりの深い首長がいる自治体は合併特例債でばんばんハコモノを作りました(そして返済分の3割と運営費で首がまわらなくなっています)。

 

結局、借金は増え行政サービスの質が低下するという社会保障費削減と同じ道を辿りました。

ほんといいことなかったです。

という個人的な感想です。

 

というわけで以上『何もいいことがなかった小泉改革』をお送りしましたが次回は小泉改革最終回として「安倍政権にどう引き継がれているか」という部分をお届けして終わりとします。

最後までお付き合いくださいませ。