ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文取りやめについて】

小泉構造改革批判の途中だったんですが

あまりに衝撃的というか、時代感覚からかけ離れていると思ったので、

わざわざ書くことにしました。

 

事の発端

1923年9月1日に起こった関東大震災では

190万人が被災し10.5万人が命を落としたと言われています。

その最中、

「火災が広がったのは朝鮮人が爆弾を投げたからだ」

朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた」

等のデマが流れ、市民が結成した自警団により多数の朝鮮人が殺されました。

(また軍や警察も当初はこの流言を信じ殺害に手を貸したと言われています)

そのため毎年東京では朝鮮人犠牲者の追悼式を行い、

歴代都知事(少なくとも石原慎太郎時代から)は式典に追悼文を送付してきましたが

小池都知事が『今年から送付しない』と急に言い出しました。

 

小池都知事関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文を取りやめ 自民都議の指摘が背景(’17/8/24)

http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/24/koike-yuriko_a_23159494/

 

理由は「都の行事で全体への慰霊は行っているため、個別には対応しない」とのことです。

震災で亡くなった方と、デマにより殺された人とは明らかに性格が異なるだろう等々の突っ込みは必至なのですがとりあえずこういう理由により追悼文の送付は見送るそうです。

この追悼文送付取りやめのきっかけとなったのは今年3月に自民党古賀俊昭都議が議会で行った質疑でした。

ここで古賀氏は公園にある追悼碑の「あやまった策動と流言蜚語のため6千余名にのぼる朝鮮人尊い生命を奪われました」との文言について「事実に反する」と問題視し、送付を再考すべきだと小池氏に進言しました。

そして今に至ります。

詳しくは以下で。

 

▼なぜ小池知事は関東大震災朝鮮人虐殺の追悼文を断ったのか 都議会で交わされた”あるやりとり”(’17/8/24)

https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/why-denied?utm_term=.ikpWP4b9X#.nuMG5V0ag

 

あまりにかけ離れている時代感覚

小池氏は会見の中で「民族差別という観点より、災害の被害、様々な被害で亡くなった方々への慰霊をしていくべきだ」と述べています。

これは「『朝鮮人という特定の人種を虐殺』したということを曖昧にし、さらには否定しかねない発言である」と国際社会では取られます。

 

つい先日、アメリカのバージニア州で白人至上主義者へのカウンターデモに車がツッコミ人が亡くなるという事件がありました。

 

▼白人至上主義者へのカウンターデモに車で突入、20歳の男を殺人容疑で逮捕 アメリカ・バージニア州(’17/8/13)

http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/13/man-arrested-after-car-crash-in-virginia_n_17742826.html

 

この事件の後、バージニア州知事は明確に白人至上主義者たちを非難する声明を出しましたが、トランプは「双方に問題がある」と発言し国内で大顰蹙をかいました。

 

▼「白人至上主義者は出て行け」死者を出した極右集会を州知事が批判。一方トランプは…(’17/8/14)

https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/meanwhile-trump-said?utm_term=.as2ebnGwZ#.yo1lz0EkG

 

排外主義を代表とするポストトゥルース的な流れは終わりに向かいつつあるのが時流であるということは常々お伝えしてきました。

それが是か非かは今後分かることではありますが、各国の特に”人権”に重きを置いている国がこの問題を重視していることは事実です。

2020年にオリンピックを迎える日本でしかもその開催都市の首長が、排外主義的ともとられない方向に舵を切る。

ということに絶望的な時代感覚のなさを感じています。

そういう話でした。

最後の方駆け足になっちゃいました。すみません。

とりあえずこの辺にしておきます。