【リフレ派の終焉と日本経済のこれから】
数日前ダラダラとTwitterを眺めていたらこんな記事が流れてきました。
▼アベノミクスよ、どこへ 理論的支柱の「教祖」が変節
http://digital.asahi.com/articles/ASJD87KT8JD8ULZU00X.html?rm=617
上記の記事を読んでもらった前提でお話進めますのでぜひ読んで下さい。
内容としてはアベノミクスの金融政策の理論構築をしていた人が
「ちょっと間違ってた気がするんですよねー」
と言った。ということです。
アベノミクスの金融政策
2016年3月23日に載せた『マイナス金利政策』に書いていますので
詳しくはそちらを読んでいただければいいのですが
「お金をじゃんじゃん流して緩やかにインフレにしよう」
というのが目的です。
この緩やかなインフレを目指す人たちのことを『リフレ派』と言います。
「リフレ(=リフレーション=reflation)を支持する派閥」ということです。
リフレ派の重鎮が浜田宏一というおじいさんで
アベノミクスのまさに理論的支柱となっていました。
その人が、
「お金じゃんじゃん流しても好転しなさそう」
なんて言い出したものだからリフレ派おおわらわ。
というのが今回の記事です。
「金融政策失敗だったから次いきましょう」
ってなればいいんですけど
政府も日銀も「これから効果が出るはずだ」と強弁しています。
▼黒田日銀総裁:物価目標の達成時期、2018年へのずれ込みを示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-09/OERZOG6TTDS001
※タイトルでは分かりにくいですが、文中に「日銀が金融緩和に長期戦で取り組む姿勢に一切の疑問の余地を残さなかった」という一文があるので日銀はあくまでも金融緩和(=現在の路線)を突き進むつもりです。
日本経済はどこに向かうか
『金融政策』というのは基本的に中央銀行(日本は日本銀行=日銀)が
『金融政策決定会合』という場において意思決定を行います。
この意思決定を行う人達は、日銀総裁×1・副総裁×2・政策委員×6の合計9人なのですが
これらの委員は全て衆参両院の同意の元、内閣が任命します。
平たく言えば、内閣の以降を汲み取りやすい人がこういう要職につきます。
現在の政策委員は9人中7人が安倍政権下で任命された人々です。
ということは安倍政権が続く限り(安倍政権が心変わりしない限り)、
「効果がなさそうだ」と言われている政策を取り続けることになると思います。
憂鬱ですね。
さらに憂鬱なのは、異常である「お金じゃんじゃん」状態を平常に戻すには
かなり慎重でかつ骨の折れる作業が必要だということです。
現在その作業に取り掛かっているのが米国です。
が、1度利上げを実行してから2回目の利上げをできずにいます。
利上げをすると投資家たちは資金をまわして運用するよりも
銀行への預入をしておく方が安全かつ効率的に資産を増やすことができると考えるため
市場内の流通量を減らすことができます。
が、ということは、必然的に”元々あった場所”からお金がなくなることになります。
これが通貨安や株安(こっちのが問題)を引き起こし、
果ては不況を引き起こす可能性があるわけなので
少しずつ慎重に回収していく必要があるわけです。
それはまるで、ぶっくぶくに太ってしまった人を痩せさすにあたって、
いきなり「絶食」とかのショック療法を与えるとリバウンドしちゃうのと同じ感じ。
進むも地獄、戻るも地獄…そんなところに来てしまった。
という絶望的な終わり方をしてしまうので
次はもっと希望に溢れたお話にしたいと思っています。