ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【臨時国会を振り返って】

師走ですねー。

ほんと驚くくらい早く過ぎ去っていく感じありますねー。

臨時国会も師走の国会にふさわしく(?)驚くべきスピードで過ぎ去っていきましたね。

ということで臨時国会の振り返りをします。

どちらかというと“趣味色”強めの記事です。ご容赦ください。

 

今国会の総括

みなさまご存知の通り国会って三権分立の一つを担うんですね。

行政・立法・司法の立法を担います。

行政と司法を監視・抑制する立場にあるわけですね。

日本は議員内閣制という制度を採用しているため、

与党の国会議員から行政の長たる各大臣が選ばれます。

立法府(国会)のメンバーとして国民に選ばれた議員が行政府のメンバーになるので

行政府と立法府の境目がわかりにくい部分があるんですが、

建前上は行政・立法・司法は互いに独立し、互いに対等な立場にあります。

なので、国会の運営は立法府のメンバーによる話し合いで決定される必要があります。

当然ですよね。

立法府のことを立法府が決められないのだったらそれは“独立してる”とはいえません。

独立であるべき立法府の運営に”行政府の意向”が色濃く反映されたのが今国会でした。

もっと平たく言うと、行政府の”言いなり”。

国会ウォッチ期間はそんなに長くないですがこんな無茶な国会運営見たの初めてでした。

国会ウォッチ歴20年位の人が同じようなこと言ってたのでたぶんそうなんでしょう。

とっても大事な話をしないといけないのに

「そんなのどうでもいいんだよ」

と言うかのように物事が進んでいったことが悲しかったです。

国会が国会を上げて国会の権威を落としにかかった。

そんな漢字の国会でした。

 

何が”無茶”だったのか

行政府の意向は国会の会期末までに…

入管法の改正
漁業法の改正
水道法の改正

を成し遂げることでした。

たった48日間で、です。

48日が長いか短いかの判断がつきがたいと思うのですが、

めっちゃくちゃ短いです。

毎年1月から始まる通常国会の会期が150日。

「これらのうち1本が採決までいければいいよね」

くらいが普通のペースです。

これがまず無茶です。

 

なんでそこまで時間がかかるのか(かけるのか)。

前も言いましたけど、立法って国の仕組みを作ることなんですが、”仕組み”は慎重に設計しないと人を殺しうるからです。

極端な例ですがナチス政権下におけるユダヤ人の虐殺も国家の”仕組み”です。

虐殺を是認する根拠となる法律があったわけではありませんが、ニュルンベルク法によりユダヤ人から公民権を奪い取り、最終的にはホロコーストへと繋がっていきました。

だから慎重に慎重に、誰かに不当な不利益を与えないか検討される必要があるんです。

 

今回の入管法も漁業法も水道法も国にとってとても大きな“変更”で、

それこそ内容次第では人を殺しうるようなものです。

だからこそ互いの立場を超えて慎重に様々な検討がなされてしかるべき法律案の数々でしたが、

行政府に求められたスケジュールありきで物事が進んでいきました。

参議院選までに経済界からの支援を取り付けたいとか、

来年の通常国会でこの問題やっちゃって国民感情悪くなったらイヤだとか

そういう理由は痛いほどわかります。

みんな仕事なくなったら(選挙に落ちたら)食べていけないですし。

 

けど、例えば今回の入管法なんて中身が全く何も決まってなくて、

ほとんどを省令(各省大臣が法律を施行するために発する命令)で決めるって言うんです。

上にも書きましたけど仕組みを作るのが立法府(国会)なんですがそれを行政府がきめちゃったら「国会がある意味…」ってなりますよね(なりました)。

これも”無茶”です。

この2つの無茶を押し通し続けた(国民から見れば押し通し続け”られた”)国会でした。

 

入管法は4月施行開始らしいんですけどほんとに間に合うんですかね。

色んな所で混乱が起こりそうで今から怖いです。