【南北首脳会談の成果とこれから】
さる4月27日に歴史的な南北首脳会談が行われ
両首脳が『板門店宣言』に署名しました。
その内容にちょこちょこ触れつつ
今後の展開を少しでも予測できればなと思います。
本日もお付き合いください。
《目次》
板門店宣言の内容
板門店宣言の全訳あったので置いておきます。
https://thekoreanpolitics.com/archives/993
板門店宣言のポイントは
1.朝鮮半島の非核化
2.今年中の終戦宣言
3.今年秋の文在寅大統領の訪朝
でしょうか。
”非核化”での対外的な軍事的緊張の緩和
”終戦”での南北間の軍事的緊張の緩和
”訪朝”での対話の継続(対話中は軍事的衝突が起きないというメッセージ)
といったあたりが狙いだろうと思います。
ピックアップするところは人それぞれだと思いますが、私が気になったのはこの3つ。
注釈的に書いておくと、『今年中の終戦宣言』は合意文章の内容的にいかようにも捉えることができ、もしかすると今年じゃない可能性もあるそうです(素直に読めば『今年中』)。
気になる方もいらっしゃるかもなのでその箇所を以下に明示しておきます。
『南と北は停戦協定締結から65年になる今年に、終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制の構築のための南北米3者、南北米中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした。』
”今年”が、「終戦を宣言」にかかっているとも読めるし、
文末の「推進していくことにした」にかかるとも読めますよね。
今回の合意内容については
「非核化の具体的なスケジュールが示されていない」
など”具体性にかける”ことを批判する向きもありますが、
私は、
・”合意”を取り付けられたこと(その内容)
・”終戦”や”非核化”など重要なワードを盛り込めたこと
・”継続”的に対話が行われることが確約されたこと
という3点をもって、評価されるべきだと思います。
今後の展開
さて、気になる今後の展開ですが、
非核化については米朝首脳会談で具体的な工程をすり合わせることになるでしょう。
前回、IAEA(国際原子力機関)の査察受け入れの話をあげましたが
昨日も核実験場の閉鎖を公開する旨のニュースが入ってきました。
▼北朝鮮が5月中に核実験場閉鎖を公開へ 韓国(’18/4/29)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000126203.html
米朝首脳会談に向けた本気度のアピールだろうと思います。
というところまで書いたところで、
「北朝鮮の今後の動きはこうなんじゃないだろうか」
ということを考えついたので、
論拠はありませんがそれをご提示して今回の締めくくりとしようと思います。
ーーーーーココから妄想ーーーーー
北朝鮮は現在、金正日政権が敷いていた先軍政治(軍事を最優先する政治)から、経済中心の政策に切り替えています。
権力の移譲期間が短かった正恩は、軍事費に予算の大半を割き大量の餓死者を出した”先帝”の失政を逆手に取り、経済を再建することで人心を掌握しました。
たぶん、政策の変遷期には軍の不満が高まっていたはずです。
そんな折(だったかどうかはわかりませんが)の2012年に正恩は軍の上層部を粛清しており、
”恐怖”を持って軍部を掌握したのではないでしょうか。
正恩の目標は現体制の維持のための北朝鮮経済の活性化なのではないかと思うんですよね。
彼が仮に、
権力の源泉=人民
であることに気付いていたとすれば、
『経済を良くして人民の不満の芽をつぶす』
という考えに行き着く可能性はあると思うんです。
ですが、GDPが鳥取県並の北朝鮮が1国で経済を活性化するにしても限界があります。
となると必要なのは海外からの支援。
「最も効率よく海外からの支援を引き出すためには、核やミサイルをバーターにするのがいいのではないか。」
と考え、他国と交渉できるまでレベルに至るために一気に核・ミサイル開発を進めたのではないか(つまり、核は手放す前提で考えている)。
と考えると辻褄が合うような気がするんですよね。
ーーーーーココまで妄想ーーーーー
まぁ、なんの論拠もないんですけどね。
妄想を前提にすれば核の放棄は既定路線となりますがどうでしょうか。
韓国、北朝鮮、アメリカが最終的な落とし所を”どこ”に設定しているのか。
特に、北朝鮮が南北統一を目指していくのかそれとも別々の国であり続けるのか、
韓国国民の感情はどうなのかというあたりが重要になるんだと思います。
今後も注視していきます。
今日はこの辺で。