ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【『台風が北海道に与えた影響』が日本社会に与える影響】

Google検索で「北海道 台風」といれると

3番目に「北海道 台風 来ない」と出ます。

「北海道 台風」で検索をかけると、

「台風?どーせ来ないっしょ」

nanapi.com

という記事がトップに出てきます。

 

そんな道民にとって8月に襲った台風7号、10号は

まさに青天の霹靂だったと思います。

まさか北海道に、まさか2個も、まさかここまで甚大な被害が出るとは

誰一人として思っていなかったでしょう。

この影響、偏に北海道のみのことであると片付けることができないのです。

 

日本最大の食料供給地域

ご案内の通り北海道は日本最大の農業大国です。

私が学んだ農業経済の分野では北海道だけ文字通り桁が違うので、

平均値を求めるとき等は除外したりします。誤差が出るので。

余談でしたがそれくらい大きいところです。

 

カロリーベースの食料自給率という言葉を聞いたことがあると思います。

「日本は自給率40%だからあげないといけないんだよ」

と言ったりします。

40%は確かにまずいけど目標の数値ここでいいの?

とか思ったりしてしまうのですが大きく脱線するのでひとまず置きます。

脱線しすぎました。

カロリーベースの食料自給率とは、

日本人が1日に摂取しているカロリー2473kcalのうち

国産のもので賄うことができるカロリーの割合はどれだけであるか。

という数字です。

少し古い数字で恐縮ですが、平成20年は1012kcalで約41%です。

そのうち、北海道産のものが226kcalで全体への寄与率は約10%。

国内での生産に限れば約20%。

私たちの体の1/10は北海道でできていると言っても過言ではありません(過言です)。

それだけ日本の食は北海道に依存しているということです。

 

全容が見えない被害状況

9月6日には農地約1万2300haが被害にあったという発表がありましたが

▼【台風10号】北海道 被害面積1万2000ha超す

http://www.jacom.or.jp/nousei/news/2016/09/160907-30805.php

 

作物への被害状況がいまだ不透明です。

16日になりキューピーが十勝の加工工場の冠水被害を受けて、

本年の加工品販売を取りやめるとの発表もありました。

▼北海道産とうもろこし・大豆を原料とした 農産加工品の販売休止のお知らせ

http://www.kewpie.co.jp/company/corp/newsrelease/2016/info_03.pdf

これから先、キューピーの様な事例はさらに増えていくことになりそうです。

 

来年以降も影響を与える可能性が

個人的に大変気になっているのが玉ねぎと馬鈴薯(=ばれいしょ=じゃがいも)の被害です。

国内で生産されている玉ねぎ・じゃがいものうち

玉ねぎは54%、じゃがいもに至っては77%が北海道産です。

じゃがいもは今年はおろか来年の栽培に必要な種芋の確保も難しくなるやもしれません。

今年から来年、下手すれば再来年まで影響が出る可能性も否めません。

 

生産地を一極集中させることへの弊害をまざまざと見せつけられた様な気がします。

被災地の1日も早い復興を心から願っていますが、

気候変動による影響が少なからず出ている中で

”食”に関するリスクマネジメントを官民あげて真剣に取り組むべき時期にきたのかもしれないと思っています。