【南北首脳会談:中国からのメッセージ】
どうしてもお話しておきたかったストーリー。
自分のためにメモ的にノートに載っけておきます。
▼中国、南北会談に臨んだ両首脳の「勇気」を称賛 漢詩の一節引用(’18/4/27)
中国では何かメッセージを伝える際に漢詩を引用するのはよくあることらしく
平昌オリンピックの時も、中国の解説者が羽生結弦選手に対し漢詩を引用して賞賛を送っていました。
南北首脳会談で引用された漢詩は、
日中関係がぎくしゃくする最中、魯迅が中国戦災孤児を引き取り大阪で育てた西村真琴氏に寄せた詩「三義塔に題す」の一節だったそうです。
詳しくは以下のブログを読んで下さい。
中国では通常、詩の”背景”も含めて引用します。
つまり中国は、南北首脳へメッセージを送ると同時に日本にもメッセージを送ったと考えられるわけです。
真意はわかりませんが、たぶん”そう”です。
国際関係を乗り越えて互いに心を通わせたこの二人の偉人に思いを馳せるとともに、私もこの様な教養を持ちたいなと思いました。
最後に魯迅が送った詩を貼り付けておきます。
1933年6月21日、魯迅が西村真琴に贈った詩「三義塔に題す」
奔霆(ほんてい) 飛焔(ひえん) 人の子をつくし
敗(はい)井(せい) 頽(たい)垣(えん) 餓(が)鳩(きゅう)をのこす
偶(たま)たま 大心(たいしん)に値(あ)いて火宅(かたく)を離(はな)れ
終(つい)に高塔(こうとう)を遺(の)して瀛(えい)洲(しゅう)を念(おも)う
精禽(せいきん) 夢(ゆめ)覚(さ)めて なお石をふくみ
闘士(とうし) 誠(まこと)堅(かた)くして 共(とも)に流(なが)れに抗(こう)す
劫波(ごうは)を渡(わた)り尽(つく)くせば兄弟(きょうだい)在(あ)り
相(あい)逢(お)うて 一笑(いっしょう)すれば 怨讐(おんしゅう)ほろびん
【日本語訳】
日本軍の飛行機の爆弾や銃火が中國人民を殺傷し井戸や垣をやぶり崩して町を荒廃させ、一羽の餓えた鳩をのこした。
たまたまその鳩が西村真琴博士の大慈悲心にあって火に包まれた家を離れたがとうとう死んで三義塚をのこし日本を(一つの気高い心の故に)記念している。
死んだ鳩は眠りから覚めて、かの古伝説に言う精衛の如く、日中間をへだてる東海を小石をくわえて埋めんとし、私と貴方(日中両国人民)は誠心かたく時流に抗して闘う。
今は日中両国のへだたりははるかに遠いが長い年月を苦難して渡り尽くせば、日中両國の大衆はもとより兄弟である。その時逢ってニッコリすれば深いうらみも滅び去るだろう。