ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【韓国大統領選について】

韓国大統領選についてです。

 

大統領選までの流れ

朴槿恵氏が近親者への利益供与を行なっていた(私物化していた)』

という嫌疑が持ち上がり全国的なデモ(いわゆる『ろうそくデモ』)に発生。

弾劾裁判が行われ罷免されました(いわゆる『ろうそく革命』)。

それに伴う大統領選挙が今月10日に行われ

文在寅ムン・ジェイン)氏が当選しました。

というのがとてもざっくりした韓国大統領選挙までの流れです。

詳しくはこちらをどうぞ。

 

朴槿恵大統領を罷免、韓国の憲法裁判所が弾劾認める(’17/3/10)

http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/09/park-geun-hye-impeachment_n_15270832.html

 

候補者支持率の変遷

5人が立候補しましたが、

初めは文在寅氏(4/15時点支持率40%)と

安哲秀(アン・チョルス)氏(同37%)による

左派系候補2人による一騎打ちだったようです。

 

▼告示で各党5候補らが届け出、文VS安の2強対決へ(’17/4/15)

http://www.sankei.com/world/news/170415/wor1704150021-n1.html

 

最終的には保守派層からの支持が流出した安哲秀氏が

若者らから支持を得た文在寅氏が独走を許し

大差での当選となりました。

 

個人的に興味深かったのは支持率7%だった洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏が

最終的には得票率24%で次点だったこと。

洪準杓氏は朴槿恵前大統領と同じ政党である自由韓国党保守系)所属で

最初は表立った支持がなかったものの立候補から投票日までの約1ヶ月で

保守派を取り込み躍進したようです。

『韓国のトランプ』の異名もあり攻撃的な語り口が特徴だったようで

北朝鮮のミサイル発射等が追い風になり支持率を急上昇させたものの至りませんでした。

オランダ、フランスときて韓国でも”トランプ的なモノ”の勢いに陰りが見え始めたことに大きな変化を感じずにはいられません。

 

山積する課題

大統領を輩出し政権与党となった所属の「共に民主党」は、

議会で過半数を得ておらず他の政党と連立する必要があります。

また、北朝鮮政策では対話・融和姿勢を取ると明言していますがそんなことはお構いなしに当の北朝鮮はミサイルの発射を繰り返しています。

そしてなによりも、最大の懸案事項は保守と革新の分断でしょう。

今回、大統領選にいたったそもそものきっかけは

「政治の腐敗を看過できない」と立ち上がった若者たちが始めた『ろうそくデモ』でした。

その趣旨に賛同した参加者の大半は文在寅氏を支援した一方で

60代以上の保守層は洪準杓を強く支持しました。

アメリカもそうでしたが、韓国でも朴槿恵氏の弾劾・罷免を通して生じた保守と革新の亀裂は簡単には埋まりそうにありません。